2024.02.26
「先進的窓リノベ2024事業」とは?利用するメリットや注意点について
窓のリフォームをする際に、補助金を利用することができるのをご存じでしょうか?「先進的窓リノベ2024事業」という補助金を利用すると、工事にかかる費用の約50%を抑えることができます。内窓の設置や外窓の交換、ガラス交換などの工事にも補助金を適用することができ、対象者の範囲も広いため利用しやすい補助金です。
今回は、先進的窓リノベ2024事業について、どのような補助金なのか、補助率はどれくらいなのか、どのような人が対象で、どんな工事が対象なのか、詳しくご紹介していきます。
先進的窓リノベ2024事業とは
まずは、「先進的窓リノベ2024事業」とはどのような補助金の仕組みなのか、概要や受けられる補助金について確認していきましょう。
「先進的窓リノベ2024事業」の概要
「先進的窓リノベ2024事業」は、環境省が出している補助金で、正式名称は「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」となっており、その名の通り断熱窓への改修促進のための補助金です。
この補助金を環境省が出している理由は大きく3つ、以下のような目的を持っています。
・エネルギー費用負担の軽減やCO2排出削減
・健康で快適な暮らしの実現
・断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長
上記のように、窓をリフォームすることで断熱効果を上げ、社会のエネルギー費用負担の軽減や、CO2を削減するなど環境部分の改善を目的とし、さらには窓のリフォームを行うことで暑さ・寒さから解放されて健康で快適な暮らしを実現するためのものとしています。
また、補助金利用によって多くの消費者が窓のリフォームをすることで、断熱窓の機能向上や民間企業の競争力を高めようというものです。
受けられる補助金について
先進的窓リノベ2024事業の予算は1,350億円となっています。その中で一戸当たりの補助金利用額は5万円~最大200万円となっており、窓やドアのリフォームに関する費用の負担を軽減できる仕組みとなっています。
補助率は50%相当となっており、400万円の工事費用の場合には最大で200万円の補助額が出る計算となります。窓のリフォームは利用する窓の種類や施工業者によって金額が異なるため、希望する窓工事の費用がどれくらいになるか確認しておくことで、利用できる補助金もイメージできるでしょう。
先進的窓リノベ2024事業の対象者・条件
先進的窓リノベ2024事業の補助金を利用できる条件は、以下のようになっています。
・窓リノベ事業者と工事請負契約を締結して工事を行うこと
・窓のリフォームを行う住宅の所有者であること
つまり、住宅を持っており、窓リノベ事業者に依頼して窓の工事を行う人は対象になるということです。逆に、新築を建てようとするときにこの補助金を利用しようとしても利用できないということです。それぞれ細かく見ていきましょう。
窓リノベ事業者と工事請負契約を締結して工事を行うこと
「窓リノベ事業者と工事請負契約を締結すること」というのが条件となっていますが、言葉としては難しく見えますが、要は登録工事業者に依頼をして工事をすることが必要ということです。
窓リノベ事業者とは、事前に「住宅省エネ支援事業者」に登録している施工業者のことで、補助金を受ける対象者の代わりに交付申請手続きや交付された補助金を対象者に還元する役割を担います。この窓リノベ事業者に依頼をして工事をすることが必要となるため、登録していない業者に窓の工事をしてもらっても補助金の対象にはなりません。
窓のリフォームを行う住宅の所有者であること
そして、窓のリフォームを実際に依頼する家の持ち主でなければなりません。対象となるのは戸建てだけではなく、集合住宅なども対象となっており、実際に自分が住んでおらず賃貸物件として貸し出している人でも対象となります。ただし、住宅として機能していない家や、実際には店舗として利用している家などは対象外になります。
先進的窓リノベ2024事業で利用できる対象の製品は?
「先進的窓リノベ2024事業」の補助金を利用する場合、条件として利用する窓の製品は、対象製品を利用することが必要です。対象製品とはどのようなものかというと、メーカーが製品を事前に登録し、「先進的窓リノベ2024事業」の事務局が性能やサイズなどを確認して「性能証明書」を発行した製品となります。
具体的には以下のような性能を持つことが必要です。
住宅の種類 | 内窓設置 | 外窓交換(カバー工法) | 外窓交換(はつり工法) | ガラス交換 |
戸建て住宅及び低層集合住宅(3階建以下) | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 |
中高層集合住宅(4階建以上) | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw2.3以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 |
同時に、ドアの改修を行う場合にも、以下のようなドアの性能が必要です。
住宅の種類 | ドア交換(カバー工法) | ドア交換(はつり工法) |
戸建て住宅及び低層集合住宅(3階建以下) | 熱貫流率Uw1.9以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 |
中高層集合住宅(4階建以上) | 熱貫流率Uw2.3以下 | 熱貫流率Uw1.9以下 |
それぞれの窓やドアの性能や、補助対象の製品かどうかなどは、工事施工業者に確認しましょう。
具体的な補助金の利用例
次に、「先進的窓リノベ2024事業」の補助金を利用する場合の利用例について確認していきましょう。
内窓の設置
既存の窓の内側にもう一枚窓を新設することや、すでにある内窓を取り除いて新しい内窓へ交換するということも可能です。例えば、家の中が寒いと感じている方などは、内窓をつけることにより窓が2重になるため室内の気密性が高まります。その結果、断熱効果がアップし、家の中を暖かい状態を保つことができます。
また、小さいお子様がいる家庭や、楽器演奏が趣味の方は、近所に騒音になっていないか不安な方もいるでしょう。そのような場合にも、内窓をつけることによって防音効果が高まります。
外窓の交換
先進的窓リノベ2024事業では、外窓の交換も補助金の対象となります。窓が古くなって新しいものに交換したい方や、古いサッシごと取り換えて、新しい断熱窓に変えるという工事も補助金の対象となります。
この古くなった窓枠に新しい窓枠を上から被せて取り付け、断熱窓へ交換する方法を「カバー工法」、古い窓枠ごと取り外し、新しい窓枠と断熱窓を取り付ける方法を「はつり工法」と言い、これらの工法によって窓のリフォームを行うことが補助金対象となっています。それぞれの工法によって補助金額が変動します。
ガラス交換
窓だけではなく、ガラスの交換にも補助金を利用することが出来ます。既存の枠をそのまま利用して複層ガラスなどに交換することも可能です。
複層ガラスとは、その名の通り2枚の層になったガラスのことで、1枚のガラスと比べて2枚のガラスでできているため、断熱効果に期待できます。また、断熱効果が高い複層ガラスは、結露の対策も可能。複層ガラスは冷たい外気の影響を受けにくいため、結露が出にくくなることが期待できます。
ドア交換
「先進的窓リノベ2024事業」の補助金は、窓やガラスの交換のみが対象ということではなく、高断熱ドアのリフォームについても補助金の対象となります。ただし、あくまでも窓を改修したうえで、さらに家の気密性を高めるためにドアも改修を行うというような同一契約内でのドア改修に適用されます。
ドアの改修を単体で行う場合には「先進的窓リノベ2024事業」は適用されませんので注意してください。
*ドア単体で改修する場合、「子育てエコホーム支援事業」で補助金対象となる場合があります。
「先進的窓リノベ2024事業」を申請する流れ
「先進的窓リノベ2024事業」を利用して補助金をもらうまでの流れを確認しておきましょう。
まずは、工事を発注する側の住人の方が、窓リノベ事業者に登録している登録事業者へ問い合わせを行います。そして、「開口部のリフォームに係る工事請負契約の締結」を行い、「共同事業実施規約」の締結を行います。
実際に工事を発注する住人の方が実施する部分は以上となり、工事業者に工事をしてもらって工事費用を払い、工事完了します。
その後、工事業者が補助金の交付申請を行い、無事に交付決定通知が届いたら、工事業者のもとへと補助金還元が行われます。その後工事業者が、住人の方へ補助金を還元し受領するという流れになります。
交付申請期間については、令和6年3月下旬~遅くとも令和6年12月31日までとなっています。
「先進的窓リノベ2024事業」の申請書類について
「先進的窓リノベ2024事業」の申請書類について、どのような書類があるのかを確認していきましょう。
基本的に申請自体はリフォーム工事業者が行うため、ほとんどの書類は工事業者が用意することになりますが、発注者のサインなどが必要になる書類は以下の通りです。
・先進的窓リノベ事業 共同事業実施規約
・工事発注者の本人確認書類(免許証やマイナンバーカード、保険証など)
・法人の実在確認ができる書類(法人の場合のみ)
上記のほか、以下のいずれかの用意も必要です。この書類は、「既存の住宅であるということを証明する書類」となります。
・建築確認における検査済証の写し
・建物の不動産登記事項証明書の写し
・固定資産税の納税通知又は証明書の写し
これらは、別記事でも詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご確認ください。
リンク:「先進的窓リノベ2024事業」の必要書類とは?手続きは簡単?疑問にお答えします
どんな人がこの補助金を利用するべき?メリットは?
「先進的窓リノベ2024事業」はどのような人が利用するべき補助金なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
もともと窓のリフォームを考えていた方
そもそも窓のリフォームを考えていた方は、かなりお得な補助金となります。外窓の交換を検討されていた方や、複層ガラスへの交換を検討していた方、二重窓を検討していた方にとっては、願ってもいない補助金と言えるでしょう。すでに住宅を持っており、1年以上前から住んでいる場合には適用されますので、補助金の利用を検討されると良いでしょう。
寒く感じたり暑く感じたりすることが多い家の方
窓のリフォームを検討されていなかった方でも、家の中が寒いと感じたり、暑すぎると感じたりすることが多い場合、家の気密性が低くてそのような状況になっているのかもしれません。窓をリフォームして家の気密性を上げると、家の中に寒さや暑さが入り込みにくくなり、家の中で今まで以上に快適に過ごすことができるようになります。
結露の発生を軽減させたい方
家の窓を二重窓にしたり、複層ガラスにしたりすることによって、結露を軽減させることが可能です。窓の結露でいつも悩んでいる方や、冬の間、結露を取ることから1日がスタートするという方は、補助金を利用して結露が出にくい窓にするのもおすすめです。
光熱費などの出費を抑えたい方
家の気密性が上がると、先述したように断熱効果が高まります。その結果、暖房を強く入れなくても暖かさが続くようになり、光熱費を抑えることができます。光熱費を少しでも浮かせたいという方や、環境問題を意識して省エネに暮らしたいという方にもおすすめです。
「先進的窓リノベ2024事業」利用の際の注意点
次に、「先進的リノベ2024事業」の利用について、補助金を受け取るうえでの注意点を確認していきましょう。
新築には利用できない
ご紹介してきたように、「先進的リノベ2024事業」の補助金を利用するには、すでに住宅を持っており、1年以上経っていることが必要です。つまり、新築の家での窓の設置には利用できませんので注意しましょう。
工事をしてもらうのは事前に登録してある会社
窓のリフォーム会社はあくまでも「窓リノベ事業者」として登録している業者への施工依頼が必要です。対象の業者ではない場合、補助金の利用はできませんので注意しましょう。
登録してある製品を利用
窓リノベ事業者に施工してもらうというだけではなく、登録してある製品を利用しなければなりません。気に入った窓があっても、対象となる製品ではない場合、補助金の対象にはならない可能性がありますので、事前に確認しておくことも必要です。
補助金の還元方法について
補助金の還元方法としては、「現金で受け取る」か「工事代金等に充当する」があり、現金で受け取る場合には、いったん補助事業者(工事業者)が国から受領して、その後住宅所有者(発注者)に還元するという流れになります。または、現金で受け取らなくても、工事代金に充当するという方法も可能です。
まとめ
ここまで、「先進的窓リノベ2024事業」の補助金について、どのような補助金なのか、目的や対象となる工事の内容についてご紹介してきました。これから窓をリフォームしたいと考えていた方や、家の気密性が気になり、家の中が寒いと感じている方は、「先進的窓リノベ2024事業」の補助金利用がおすすめです。
Nisshoも窓リノベ事業者の登録業者であり、昨年度の「住宅省エネ2023キャンペーン」では全国で2000件以上の申請実績を持っています!窓のリフォームや交換を検討されている方は、まずは一度お問い合わせください!
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