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2024.08.02

マンションのゴミ置き場ではどのようなトラブルがある? 課題や対応策まで解説

賃貸アパートや分譲マンションなど規模を問わず、集合住宅ではゴミ置き場にまつわる様々なトラブルが発生します。

本記事では、集合住宅のゴミ置き場で発生しやすいトラブルの種類や、オーナー・管理会社側での対策などをまとめて解説しています。

マンションのゴミ捨て場についての記事は、以下の記事もご参照ください。

「ゴミ置き場のトラブル防止」はすべてのマンションにとって重要な課題!

大きなマンション

マンションやアパートなどの集合住宅において何かしらのトラブルが起きやすい場所というと、一番に考えられるのはやはり集合住宅の共用スペースだといえるでしょう。共用スペースは複数の住民が同時に利用することになるからです。

なかでも、ゴミ置き場はすべての家庭が必ず利用する場所であり、日常的に高頻度で使うことになる共用スペースであるため、些細なことからでも不満やトラブルにつながりやすい場所となっています。

ここではまず集合住宅のゴミ置き場におけるトラブルや不満の実状について、2つの調査例を引用しつつご紹介します。

国土交通省公表のマンションコミュニティ調査でもトラブル要因として「ごみ出しトラブル」が挙げられている

みずほ情報総研株式会社が調査をおこない、国土交通省が公表している「マンションの維持管理及びコミュニティに関する調査(※1)」をみてみると、「マンション内で発生した居住者同士のトラブル」という設問において、「生活音」「ペットの飼育関連」「違法駐車・駐輪」といった項目に次いで「ごみ出し」もおよそ47%と、大変多くの回答を得ています。

このことからも、マンションのオーナーや管理会社にとって、ゴミ置き場のトラブルを未然に防ぐことがいかに大切な課題であるかという点が伺えます。

※1 参考:国土交通省「マンションの維持管理及びコ ミュニティに関する調査」(71ページ)https://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/syousai/pdf/m-com6.pdf

「ごみ出しマナー」「異臭」などゴミ置き場の課題は様々

穴吹興産株式会社運営の住まい情報サイト「アルファあなぶきSTYLE」が実施したアンケート調査「ごみ出しに関するアンケート」(※2)によると、「ゴミ出しについてストレスに感じていること」という項目で最も多かった回答は「収集日までの保管場所がない」でおよそ33%です。この回答については、収集日まではゴミ置き場には出さず、きちんと自宅内で保管しておこうという正しい姿勢の現れともいえますが、全体の3割もの方々がこのような点でストレスを感じているということは、「収集日まで待たずにゴミを出してしまいたくなる」ような状況も大変起こりやすくなっているといえるでしょう。

次いで多かった回答は「ごみ出しマナーが悪い人がいる」で、およそ30%です。このマナーという点については、前述の収集日について守らない人や、きちんと分別していない人、収集日は守っていても袋の縛り方が悪かったり、ゴミ置き場へ放り投げるようにゴミを捨てて、乱雑になっていたり袋が裂けてしまっていたり……と様々なケースが考えられます。

そのほかに多かった内容としては、「ゴミの分別が大変」「ゴミ収集場所の異臭や汚れ」「雨天時はゴミを出しづらい」などに回答が集まっています。

集合自宅、特に家族向けマンションなど世帯が多く家庭ゴミが多く発生する環境下では、ゴミ置き場のトラブルの原因となり得る「ストレス・不満」が、潜在的に多発しているということが伺えます。

※2 参考:アルファあなぶきSTYLE「ごみ出しに関するアンケート」
https://www.anabuki-style.com/contents/enquete/result/82

マンションのゴミ置き場トラブルにはどのような事例がある?

いっぱいに詰まったゴミ

マンションをはじめとした集合住宅のゴミ置き場で、実際にどのようなトラブルが起きやすいかを具体的にみていきましょう。

ゴミ捨ての時間が守られない

ゴミ収集の時間は例えば朝8時など、地域の自治体ごとに決まっています。そのうえで集合住宅の管理会社や管理組合によって、「当日の朝、収集時間よりまえに出す」など常識的な範囲内でゴミ出しのルールが設けられていることが多いでしょう。

しかし住民の中には、仕事へ出かける時間帯や子どもの送り迎えなどの様々な家庭事情によって、あるいは単に朝は慌ただしいから、朝は雨が降りそうで面倒だからなどの身勝手な理由などで、ルールを守らずに前日の夜や夕方にゴミを出しておくという世帯が出てきてしまうことも少なくありません。

例えばもともと24時間ゴミ出しOKという集合自宅であれば問題ありませんが、そうでない場合には一部の方がルールを守らないことにより、守っている方々から不満が出る、衛生や匂いの面で問題になるというトラブルが起こります。

決められたゴミ出しの曜日が守られない

例えば燃えるゴミは火曜と木曜、燃えないゴミは水曜、資源ゴミは隔週金曜……といったように、ゴミ種別ごとの出せる曜日についても地域の自治体ごとに定められています。

前述の指定時間と同じように、この指定曜日についても様々な都合で守らない人が出てきます。

特に燃えないゴミや有害ゴミ、プラスチック容器といった収集の頻度があまり高くない種別のゴミについては、指定されている日まで宅内で保持しておくのが嫌だ、邪魔だなどの理由で曜日を無視したゴミ出しにつながりがちです。また収集日の間隔が短いゴミ種別についても、例えば旅行でしばらく家を空けるから、一度に多くのゴミが出てしまったから、など様々な理由で指定曜日を無視したゴミ出しがおこなわれることも少なくありません。

このケースでも、マンション内のごく一部の方がルールを破ってしまったことにより、ほかの住民から不満が出たり、ルールを守らない人が増えてしまったりといった問題につながってしまうでしょう。

正しい分別方法や出し方が守られない

この点も、例えばペットボトルはラベルを剥がした状態で出す、紙パックや雑誌、ダンボールなどはそれぞれ種類ごとに紐で束ねて出す、充電式電池は絶縁処理をしてから出す、スプレー缶は穴を開けてガス抜きしてから出すといったように、地域の自治体ごとに細かなルールが設けられています。

これらはゴミを出す際にひと手間かかるルールであるだけに、もし集合住宅のなかで一部でも守っていない人がいて、尚且つゴミ回収自体はそのまま済んでしまっているというような状況があると、住民全体に「自分も忙しい時は守らなくていいや」という認識が広まってしまうかもしれません。

ゴミ量が多く、ゴミ置き場からあふれてしまう

集合住宅のゴミ置き場の広さは、基本的に住戸数に応じて決まっているものです。この計算にあたっては通常の家庭ゴミとして発生する量が想定されつつ、少し余裕をもって計算されていることが一般的です。

しかし、例えば年度末などの引っ越しシーズンで新しい入居者が複数いて「引っ越しゴミ(移転を機に不要と判断されたもののゴミ出しや、移転時に使用したダンボール、新しく購入した家具・家電の梱包資材など)」が大量に発生したり、またお盆やゴールデンウィークなどの時期に既存の居住者が家を空ける都合でゴミのまとめ出しをしたりといったケースでは、出されるゴミの量が「一般的な家庭ゴミの量」ではなくなってしまうため、ゴミ置き場の許容量以上のゴミがあふれかえってしまいます。

ゴミ置き場が常に汚い

前述の分別のルールや指定曜日のルールが守られないことによってゴミが数日間、ゴミ置き場に留まってしまったり、またゴミ袋から汚水が漏れてしまったりといった様々な原因でゴミ置き場が汚れてしまいます。また、例えすべてのゴミ出しがルールどおり正しくおこなわれていたとしても、ゴミ置き場という場所はどうしても汚れがたまっていってしまうものです。

管理人や管理会社などによって定期的な清掃がおこなわれていない場合、ゴミ置き場が常に汚いという状態になってしまい、ゴミ出しをする住民が不快に感じてしまう、通行する近隣住民からも苦情がきてしまうなど、様々なトラブルを引き起こしかねません。

また、ゴミ置き場が汚いとカラスや野良猫、虫などが集まってしまう場合もあります。

ゴミ置き場の匂いが周辺環境や居室まで届いてしまう

ゴミ置き場の見た目上の汚れだけでなく、発生する匂いについても大きな問題となります。

生ゴミが長時間放置されているような極端な状況はもとより、そうでなくとも夏場では指定どおりに出されたゴミからも少なからず匂いが発生しますし、収集後にちょっとした汚れなどが残っているだけでも、不快な匂いが発生してしまいます。

ひどい状況になるとゴミ置き場だけでなく、集合住宅の各居室まで匂いが届いてしまったり、近隣住民にまで迷惑をかけたりといったことにもなりかねません。

またゴミ置き場の悪臭は汚れの場合と同じく、カラスや野良猫、虫などを引き寄せてしまう原因になります。

入居者以外からの不法投棄、投げ込み

集合住宅のゴミ置き場では、住民からのゴミ出しで発生する問題だけでなく、入居者以外の外部からの不法投棄、投げ込みといった問題も発生しがちです。

自治体に申請していない状態での粗大ゴミの不法投棄や、分別しないまま「よそのゴミ置き場に捨ててしまおう」と勝手に置き去られてしまったゴミ、通行人から放り投げられるゴミなど、不特定多数の外部要因でも様々なトラブルがあります。

ゴミ置き場のトラブルを放置しておくとどのような問題が起きる?

クレームを受ける管理会社

様々なトラブルが考えられるマンションのゴミ置き場では、マンションのオーナーや管理会社、管理組合などが普段からトラブル対策をしっかり講じておくことが大切です。

もし、このような対策を軽んじていた場合には、例えば以下に挙げるような問題が発生しかねません。

住民の全体的なモラル低下につながる

ルールを無視したゴミ出しをしている人がいても特に注意などされず見過ごされてしまっている、ゴミ置き場が汚れきっているのに清掃されない、などトラブルが放置されている状況にあると、マンションの住民全体にも「細かなルールまでは守らなくてもよい」「忙しいときにも自分はきっちりルールを守っていたのに、ばからしい」というような雰囲気が広がっていってしまいます。

管理側がしっかりしていないのだから自分も協力するのはやめよう、というような考え方がもし広まってしまうと、ゴミ出しの問題にとどまらない、全体的な住民モラル低下へもつながってしまうでしょう。

新規の入居希望者が減ってしまう

常にゴミがあふれていたり汚かったりというようなゴミ置き場の状況では、そのマンションに住みたいという人も減ってしまうでしょう。

せっかく賃料や周辺環境などの条件が合致して、住むことを前提に予め内見や下見などがあった際にも、ゴミ置き場の惨状を見て気変わりされてしまうかもしれません。

「住民にモラルの無い人がたくさんいそうで心配」「きちんとした管理をしてもらえなそう」と、マンションに対する悪いイメージを持たれてしまいます。

外部からの不法投棄が増える

粗大ゴミの放置や通行人からのゴミ投げ込みなど外部からの不法投棄については、しっかり管理されている綺麗なゴミ置き場よりも、もともと汚れていたり、管理されている気配が感じられないようなゴミ置き場のほうがターゲットにされてしまいがちです。

人間の心理面での考え方とはなりますが、やはり普段から管理が行き届いていて清潔さが維持されているような場所であれば、「もしここにゴミを勝手に捨てると、すぐに通報されたり、大きな問題になったりするかもしれない」という心理が働くものです。

マンションのゴミ置き場トラブルを回避するためにオーナーや管理会社ができること

ゴミ置き場の様々なトラブルを回避するために、マンションのオーナーや管理者、管理会社のほうではどのような対応ができるでしょうか。

ここでは一般的な例をいくつかご紹介します。

ゴミ出しルールの周知を分かりやすい方法で徹底する

まずは、マンションの入居者全員にゴミ出しのルールをしっかり理解してもらうことが大切です。

一般的に、集合住宅の入居時にはその地域や住宅のゴミ出しルールが小冊子などで案内されますが、すべての入居者がしっかり目を通してくれるとはかぎりません。また、一度理解したつもりでも、例えば移転前の地域のルールとうっかり混同して、悪気なく間違ったゴミの出し方をしてしまうこともあるでしょう。

地域ごとのゴミの出し方、分別の仕方というものは事細かにルール化されているため、すぐには理解しづらいものです。

そこでより分かりやすく、例えば曜日ごとの簡易一覧表などをマンションの管理会社が作成し、配布したりエントランスに掲示したりしておくことは有効です。

ゴミ置き場だけでなくエレベーター前や集合ポスト近辺など、日常的に多くの住民が自然に目にするような場所で案内しておけば、うっかりの勘違いや認識漏れなども自然に改めてもらえるでしょう。

一部の人によってルールが破られている場合も、まずは全戸へのお願いから始める

もしマンション住民の一部の方が日常的に、誤った分別でのゴミ出しやモラルの欠けたゴミ出しをしてしまっているような状況があれば、まずは個別にではなく、管理会社や管理組合から全戸へのお願いとして、共通した印刷物などで状況の周知をおこなっておくとよいでしょう。

例えどの世帯であるかを特定できている状況だったとしても、いきなり個別に注意喚起などをおこなってしまうと、「自分ではない」と否定されてしまって話が進まなかったり、そもそもどうして自分だと思ったのかなどと問い詰められトラブルの元になってしまことがあります。

全戸共通の配布物として状況を伝え、それでもしばらくして状況が改善されなければ、個別に対応する必要があります。その場合でも、無用なトラブルを避けるために伝える方法を慎重に検討することをおすすめします。

正しい分別を自然に促せるようなゴミ置き場にする

ゴミの細かな分別方法については、周知して理解してもらい自主的に守ってもらうという方向性以外に、ゴミ置き場を工夫するという方法も有効です。

ゴミの大まかな分類が「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」であったとしても、ゴミ置き場ではそういった大分類のみで置き場所を分けるのではなく、更に細かな場所分けをしておき、地域のルールに則った正しい分類を自然におこなえるようにします。

例えば「資源ゴミ」としての大まかな置き場ではなく、細分化して「段ボール」「古紙」「布類」に分けて置けるようにそれぞれの置き場所を指定しておきます。「燃えないゴミ」であれば「乾電池」「陶器」などの分け方で細かい置き場をそれぞれ指定しておく、というかたちです。

ゴミ置き場自体をこのような仕組みにしておくことで、住民も自然にその細かな分別に従って別々の袋に入れたり、別の紐結束にしたりという意識を持ってくれるでしょう。

お盆シーズンや年末年始などゴミの先出しが多く発生しそうな時期は特別対応をとる

住民が旅行や帰省などで家をしばらく離れることが多い時期には、どうしても指定日以前のゴミ出しが発生しやすくなります。

特に世帯数の多いマンションでは、一度に大量のゴミの「先出し」がおこなわれることをどうしても避けられない場合もあるため、そういった場合には、予め指定された時期だけはゴミの先出しOK(普段のゴミ置き場ではなく、保管専用の場所に出してもらう)というルールにしておくのもひとつの手です。

その時期はマンション管理人などが通常業務外の特別対応として、ゴミをまとめて別場所に保管しつつ、それぞれのゴミ種別の収集日に管理人が該当するゴミをゴミ置き場へ移動してあげる、というサービスを提供する方法です。

こうすることによって普段のゴミ置き場に何日もゴミが放置されてしまうような事態を避けられ、また保管場所として密閉された空間を用意しておければ、匂いの問題や、カラスや虫が集まってしまう問題なども回避できます。

ゴミ置き場の収容可能量が明らかに不足している場合には、拡充を検討する

例え住民側が正しい曜日に正しい分別でゴミ出しをしていたとしても、そもそもゴミ置き場の収容可能量が世帯数に対して不足している状況では、どうしても慢性的にゴミがあふれる状況となってしまいます。

この場合には、可能な方法でゴミ置き場の容量を拡充することを検討しましょう。

ゴミ置き場を拡充すると、ゴミあふれの回避だけでなく、前述のような「細かな分別での置き場所分け」もしやすくなります。

柵や扉など、必要に応じてゴミ置き場の設備を追加する

例えば一定のスペースをゴミ置き場として指定しているものの、柵や扉などが特にない、という状態では、生ゴミへカラスが寄ってきたり、匂いが付近に漂ってしまったりということを完全には避けられません。

必要に応じて、オープンスペースのゴミ置き場に後付けで設置できるような柵、壁、扉などを活用することによって、それぞれの問題に後からでも対応できます。

Nisshoの「ゴミステーションN」で必要に応じたゴミ置き場の拡充・補完を簡単に実現!

「おすすめ」と書かれたブロック

ゴミ置き場の容量不足、カラスや匂いなど様々な問題を解決するために、例えば既存のゴミ置き場に管理組合の皆さんで対策を講じようとしても、元々のスペースが限られていたり、資材確保が困難であったりといった理由で実現がなかなか難しい、という場合も多くあることでしょう。

Nisshoの「ゴミステーションN」は、豊富な部材バリエーションのご用意がある完全自由設計・オーダーメイド対応のごみ置き場囲いです。

限られたゴミ置き場スペースにおける、地形に合わせた仕切り新設、横ではなく縦方向(上方向)への容量拡充、扉の新設や既存扉の差し替えなど、それぞれのマンション・集合住宅様の状況やニーズに合わせた対応が可能です。

ゴミ置き場の課題解決には、ぜひ当社製品「ゴミステーションN」の活用をご検討ください。

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マンション ゴミ置き場でのトラブルは、ゴミ置き場の設備拡充で回避

マンションをはじめとした集合住宅のゴミ置き場では、本記事で例に挙げたような様々なトラブルがどうしても発生しがちです。大切な共用設備であるゴミ置き場でトラブルが多発すると、入居者のモラル低下や、周辺住民からの苦情、新規入居者数の減少など多くの悪影響が考えられます。

マンションの管理会社様、管理組合様やオーナー様は、ぜひゴミ置き場の拡充によるトラブル回避を検討なさってください。

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