2025.01.27
外壁リフォームの方法にはどんな種類がある? 塗装から外壁のカバー / 張り替えまで工法や材料も含め解説【札幌エリアなど寒冷地向けの情報も!】
外壁をすっきりとリフォームしたいという場合に、一般的にどのような選択肢があるかご存じでしょうか。
外壁リフォームの目的があくまで外観の変化だけなのか、耐久性や耐候性といった機能向上なのかといった違いによっても、選択肢が変わります。
本記事では外壁リフォームの際の塗装や新調について、種類ごとの知っておきたいポイントをまとめて解説しています。また、関連知識として札幌エリアなど寒さが厳しい地域で外壁リフォームを検討している方のために、寒冷地での検討ポイントもご紹介しています。ぜひ、必要な情報から確認してみてください。
▼札幌で外壁リフォームを検討されている方は、以下のページもご確認ください
札幌エリアでの外壁リフォーム工事ならおまかせください【札幌市に本社・全国に拠点を展開する Nissho】日昭株式会社
外壁リフォームが行われる様々な理由

・新築から長い年月が経って、見慣れた我が家の外観を一新したい
・清掃しても流れ落ちない汚れやカビ・サビが外壁のいたるところに付着している
・外壁にひび割れや破損がある
・外壁を触ると手に白い粉が付くようになった(経年劣化によるチョーキング)
・耐久性や耐候性、耐火性など、外壁の機能を向上させたい
建物の外壁というものは、外から見たときに面積も大きく、その建物の印象を決定づける箇所です。また屋根と同様に、室内の居住空間を外気や紫外線から守ってくれる大切な機能を持つ部分でもあるため、見た目上の問題から安全面、機能面など様々な理由で外壁リフォームが行われています。
外壁リフォームは大きく分けて3種類!

ひとくちに「外壁リフォーム」と言っても、実際に何をどこまで行うかという点では大きく以下の3つに分かれます。
劣化部分の補修だけ行う
例えば外壁の一部にひび割れや破損などが起きてしまっている場合や、コーキングやシーリング(目地や隙間のパテ埋め部分)に劣化がみられる場合などに、それらの箇所を部分的に補修する作業です。
あくまで応急処置的な対策となるため厳密にはリフォーム工事とは言えませんが、既存の外壁のまま、実用性や安全性などを保持したい場合に有効です。
塗装工事
外壁に新たな塗装を行う作業です。何よりも、安価で見た目を一新できるというメリットがあります。
また、塗装時に使う塗料の種類によって、耐候性や耐久性を高めたり、汚れにくい外壁にしたりといったメリットを得られます。
サイディングボードの新調
現代の建築技術において外壁には「サイディングボード」が多く用いられています。
サイディングボードとは表面を保護している板状の仕上げ材のことで、旧来の外壁施工の主流であったモルタルやALC(軽量気泡コンクリート)よりも耐久性・耐水性といった機能が大きく向上します。
この外壁のサイディングを新調するということも、外壁のリフォームで多く選ばれる方法です。
サイディングの新調には大きく分けて2種類の工法があり、既存の外壁の上から新しい外壁材を重ね張りする(カバーする)場合と、既存の外壁を撤去してから新たな外壁に張り替える場合があります。
いずれの工法でも外壁の見た目を完全に一新できるほか、選択するサイディングボードの種類によって耐久性・耐候性や耐水性・耐火性などを向上することができます。
外壁塗装に使われる塗料の種類(札幌エリアとの気候的な相性も紹介)

外壁塗装で一般的に使われている塗料の種類をご紹介します。
最適な塗料選びをするためのポイントも解説していますのでお役立てください。
アクリル塗料
アクリル系の合成樹脂を主成分としている塗料です。発色がとてもよく、経年劣化での変色が起きづらいという特徴を持ちます。そのため塗料の製品展開としても、くっきり鮮やかな色合いでの豊富なカラーバリエーションが多くみられます。
また透湿性(湿気の通り抜けやすさ)が高いという点も特徴で、例えば雨天の後でも塗料内部へ湿気が溜まりづらく、外壁がすぐに乾燥しやすいため雨による傷みや劣化を抑えられます。
一方でアクリル塗料には、塗膜(塗ったあとに形成される表面の膜)の柔軟性が他の塗料と比較して低く、硬い性質の塗膜になってしまうというデメリットもあります。
塗膜が硬いということはつまり、気温の変化や外部からの衝撃などの影響でひび割れが起こりやすいということになります。柔軟性を高めるために可塑剤(樹脂やゴムなどでできた化合物)を添加したアクリル塗料もありますが、その場合でも紫外線の影響で化合物が徐々に抜けていってしまい、やはり次第に硬化していきます。
塗膜の表面でひび割れが起こった際にそのまま放置しておくと、塗膜がどんどん剥がれ落ちてしまったり、水分が外壁内部へ浸透して家全体の耐久性を落としてしまったりといった影響があります。
こういった理由からアクリル塗料の耐用年数は他の塗料と比較しても一番短めであり、およそ5〜8年ほどです。こまめなメンテナンスが欠かせず、旧来は外壁塗装の主流であったアクリル塗料も現代ではあまり選択されなくなっています。
ただし、外壁塗装で使われる塗料の中では最も安価であることや、発色がとても良いという面から、例えばイベント会場や仮設住宅など、「数か月~数年持てば充分」というような期間限定で運用する建物の場合や、「もともと定期的に色を変えたいので、塗り替えを何度も行うつもり」といった場合には適している塗料です。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
寒冷地では常時低温にさらされることから特にひび割れ(クラック)が起きやすく、降雨や降雪でひび割れ部分から一気に湿気が入り込んでしまうため、アクリル塗料を使用する場合には定期的なチェックとメンテナンスが欠かせません。
ウレタン塗料
ウレタン系樹脂を主成分としている塗料です。ウレタン塗料には、そのままの状態ですぐ塗装できる「1液型」と、塗装作業直前に硬化剤を混ぜることによって塗料として完成する「2液型」があります。2液型のほうが鉄や木・コンクリートといった塗布先の材質を選ばず、塗膜の耐久性も高いことから住宅の外壁塗装では主にこちらが使われます。
弾力性のある扱いやすい塗料であるため出来上がりが美しく仕上がり、また曲面や細かな造形部分でも均等に塗りやすいため施工業者・塗装職人といったプロが使うだけでなく、一般家庭でのDIY向け塗料としても人気です。
また、ウレタン塗料で形成された塗膜は、高級感のある光沢やツヤ感を持っています。そのため、外壁だけでなく屋内の家具やフローリング床の仕上げとしても活用されます。
ウレタン塗料の耐用年数はおよそ7~10年ほどで、ひび割れもしにくいため環境や立地によっては、メンテナンスをあまり気にせずに長い間外壁の保護機能をキープできるでしょう。
ただし強い紫外線にさらされる環境にある場合、ウレタン塗料は黄色く変色しやすいという特徴も持っています。また後述するシリコン塗料やフッ素塗料と比較して汚れが付着しやすいという面もあるため、壁を塗り替えてから数年ほどで、ぱっと見の雰囲気として変色や退色が目立ってしまうかもしれません。
塗料のコストとしては、塗布先を選ばない万能性のわりに安価です。ただし後述のシリコン塗料も近年ではだいぶ安価になっているため、その価格差は縮まってきています。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
2液型のウレタン塗料であれば充分な耐久性を得られますが、降雪や降雨が特に多い地域などでは、ウレタン樹脂を何層にも塗り重ねていく「ウレタン防水」と呼ばれる施工法をとることが一般的です。
シリコン塗料
アクリルにシリコン樹脂を混ぜてつくられる塗料です。シリコン塗料にも1液型と2液型があり、2液型のほうがより耐久性が高くなります。防水性に優れ、また低電圧性の塗料であるため泥やホコリ、車の排気ガスといった汚れも付着しにくく、美観性にこだわりたい方が選ぶ外壁塗料としても人気を集めています。シリコン塗料が軍需産業ではなく一般にまで広まり始めた1950年代ごろは、原材料となるシリコンの価格が高かったためシリコン塗料もまだまだ手の届きにくい存在でしたが、現代ではコストもだいぶ低くなっています。
シリコン塗料の耐用年数はおよそ10~13年ほどで、前述のウレタン塗料と比較して塗膜の光沢が長期間にわたって保たれます。近年のさらなる低価格化も手伝い、価格と性能のバランスがとてもよい、コストパフォーマンスに優れた外壁向け塗料となっています。
ただしシリコン塗装を行う塗装業者や施工業者を選ぶ際や、シリコン塗料そのものを自分で選ぶ際に注意しておきたい点として、「塗料におけるシリコンの割合」があります。
前述のようにシリコン塗料はアクリルとシリコン樹脂が混ざってつくられていますが、このうちのシリコンの割合で最終的に得られる耐久性が大きく変わります。シリコンの割合が高ければ高いほど(一般的に45~65%など)、耐久性の高いシリコン塗料ができあがるという性質があります。
実は、シリコンが1%でも混ざっていればシリコン塗料として販売できてしまうため、例えば悪質なメーカーの市販品ではシリコン塗料とうたっているものの、ほぼアクリル塗料と同程度の耐久性しか得られず、ひび割れも起きやすいという結果になってしまう場合があります。
そのため、自分でシリコン塗料を購入する場合はなるべく大手・メジャーな塗料メーカーから購入し、また塗装業者や施工業者に一任する場合でも信頼のおける、シリコン塗料への対応実績が多い業者に依頼すると安心です。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
品質のよいシリコン塗料での外壁塗装であれば、寒冷地であっても充分に耐候性・耐水性を得られるでしょう。シリコン塗料は透湿性に優れ結露が発生しにくいため凍害を防止しやすく、また塗膜に撥水性があるため雪・雨に強い外壁にすることができます。
フッ素塗料
蛍石(ほたるいし)を原料に、フッ素樹脂を配合してつくられている塗料です。その耐久性・耐候性・外観保持性の高さから、一般住宅だけでなく大型の商業施設やビルなどの塗装としても使われており、「東京スカイツリー」や「明石海峡大橋」などの著名な建造物の外観塗装にも採用されています。
酸性雨や紫外線など塗装劣化に影響しやすい外部からの刺激にも強く、耐用年数にしておよそ13~15年ほども保ちます。
公共のランドマークのほか飛行機の塗装事例も多いほどの高機能性をもつため、塗料のコストは高価になり、目安としては前述のシリコン塗料と比較しておよそ1.6倍ほどの費用がかかります。しかしコストに見合った効果は得られますので、頻繁に塗り替えすることが事情的に難しいビルやマンションなどのほか、戸建て住宅でも「高いコストをかけてでもメンテナンスの必要性を減らしたい」という場合によく選択されます。塗布後の光沢も長い期間にわたって維持できるため、新築のように綺麗な外壁を長持ちさせたい場合にも向いています。
フッ素塗料での外壁塗装を行う際の注意点としては、サイディング外壁の継ぎ目に施工されるコーキングとの相性が若干悪いという点があります。そのため、フッ素塗料を使う際にはサイディング外壁の塗装を行ってから後打ちでコーキングを施工するといった専門的な工夫が必要になり、経験と実績を積んだ塗装業者・施工業者に任せるほうが安心です。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
フッ素樹脂は、テフロン加工のフライパンに使われていることでも知られているように酸化や温度変化に強く、腐食や汚れの付着が起こりにくい原料です。そのためフッ素塗料で保護された外壁は雪や雨に強く、寒冷地での過酷な寒さの中でも性能を長いあいだ維持できます。紫外線や凍結による劣化も起きにくいため、フッ素塗料での塗装に慣れた優良な業者に依頼できれば、長く持つ堅牢な外壁を実現できるでしょう。
無機系ハイブリッド塗料
無機成分と有機成分を組み合わせてつくられる塗料です。耐用年数にしておよそ15~20年、環境によっては20年以上も見込めるほどの高耐久を誇ります。
無機塗料の優れた耐久性と有機塗料の柔軟性がうまく融合しており、外部からの刺激や衝撃に対する強さがありつつ、ひび割れも起こりにくいという特徴を持つ、理想的な外壁塗料といえるでしょう。
紫外線や熱、汚れにも強いため公共性の高い建物や、海の近くの工場やプラントの外壁塗装でも採用されています。
一般住宅の外壁で無機系ハイブリッド塗料を使う場合の注意点としては、主にコストの面となります。フッ素塗料と比較してもさらに1割強ほどは高価となるため、外壁面積が大きい場合には想定していた予算を大幅に超えてしまう場合もあるでしょう。
また、少し意外な注意点として、「耐用年数が長すぎる」ことによるデメリットも状況によっては生まれます。住宅の他の部分とのメンテナンスサイクルをなかなか合わせづらいため、一度に住宅のすべての箇所をリフレッシュしたい場合などにも外壁だけタイミングを合わせられず、別々のタイミングでの調査・検討・施工となってしまってトータルでかかるコストが割高になってしまう可能性があります。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
無機系ハイブリッド塗料が持つ高い耐久性、耐候性は寒冷地でも充分に長い期間にわたって保持されるため、安心です。
ただしコストが高価な無機系ハイブリッド塗料を選択するからこそ、少しでも「より長く」機能性を維持できるように、たとえば超耐候性樹脂を合成した寒冷地向けの無機系ハイブリッド塗料といったように、様々な選択肢の中から最良の選択をしておきましょう。
寒冷地での外壁塗装実績が多く、なおかつ無料電話相談やお客様相談フォームなどを設けている施工会社にあらかじめ相談し、坪単価相場や費用対効果を慎重に比較し、見積もりを出してもらいながら塗料や工法などを時間をかけて決定することをおすすめします。
外壁の新調に使われるサイディングボードの種類(札幌エリアとの気候的な相性も紹介)

外壁のサイディングボードにもいくつかの種類がありますが、ここでは特に近年の外壁施工で使われている2種類のサイディングボードについて、それぞれ素材や特徴の違いをご紹介します。
金属系サイディング
断熱効果のある裏面材と、柄付けされた金属板、その間に入った断熱材によって構成されているサイディングボードです。サイディングの表面は強度に優れ、内部の断熱材によって高い断熱性を持つという特徴があります。
外部からの衝撃や気温の変化によるひび割れが大変起こりにくく耐震性もあり、また室内の気温が外気に左右されにくいため、エアコンなど冷暖房機器の必要性を最低限に抑えらます。その結果、省エネ効果を得られ電気代が安くなるというメリットもあります。
後述する窯業系サイディングと比較して施工時のコストが割高となり、また工期についても足場組みなどの準備から施工完了まで含めて少々長めになる傾向があります。ただし金属系のサイディングで覆われた外壁は耐久性が高いため、トータルコストは少なく抑えられるでしょう。
金属系サイディングの耐用年数は、一般的におよそ30~40年ほどとなります。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
金属系サイディングは防水性に優れ、寒冷地域での凍害に強い外壁を実現できます。また断熱性能が高いため、厳しい冬の寒さのもとでも過ごしやすい室内空間を実現可能です。
窯業(ようぎょう)系サイディング
セメントを主成分とし、木繊維やパルプなどを混ぜてつくられるサイディングボードです。窯業系サイディングは1990年代ごろから、それまでの主流であったモルタル外壁のひび割れのしやすさを補える新しい外壁として広まり始めました。
ただし西暦2000年以前では通気層が確保されない直張りでの工法が一般的であったため、雨漏りが起こりやすいという欠点がありました。しかし2000年に住宅品質確保促進法が制定され、その後のJIS規格の見直しなども経て、現代では低コスト・短工期ながら高い耐久性・耐火性を得られつつ雨漏りも起きにくい高品質なサイディング工法として確立されています。
ただし、前述の金属系サイディングと比較すると耐水性がやや劣り、また熱がこもりやすい性質を持つため夏季は室内の温度が上がりやすいというデメリットもあります。
また耐用年数についても、定期的なメンテナンスを行った場合で30年ほど、そうでなければ約10~20年ほどとなることが一般的です。
札幌エリア / 北海道全域 / 東北地方などの寒冷地では?
窯業系のサイディングは耐水性がやや劣ることから、特に寒冷地での凍害が起きやすいというリスクがあります。
ただし、凍害の原因となる外壁表面からの水の浸透については、表面の塗膜が正常な状態をキープしているかぎりは防止できます。そのため、例えばカラーバリエーションの豊富さや材質の見た目・デザイン・手触りなどが気に入って窯業系を選択したい、という場合には、寒冷地でのサイディング実績を積んだ、専門技術を持つ施工業者へ相談するとよいでしょう。
外壁リフォームは目的と予算を考え合わせ、最適な選択を

本記事では外壁リフォームの塗装やサイディング新調について、種類や選べる方法、検討時のポイントといった情報をお届けしました。解説した内容を参考に、ぜひ最適なリフォームを実現してください。
とは言え、塗料の選択やサイディング素材の検討など、専門知識がないと「結局どれが一番なのか……」と決めづらい部分も多いことでしょう。
大切な住宅や建物の、見た目から安全性や耐久性、長い目でみたメンテナンスコストにまで関わる外壁のリフォームについては、悔いのない決断をしたいですよね。そのためにも、お住まいの地域で確かな実績を積んでいる施工業者を見つけ、見積りサービスなども気軽に利用しながら検討することをおすすめします。
札幌の外壁リフォームのご相談は、Nissho札幌支店へ!
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